オトナチック
杉下くんは無口で無愛想な同期だった。

昨日起こった出来事は、本当は夢だったのではないかと思えてきた。

でも…杉下くんの家の合鍵が私の手元にあることは、昨日のことは夢じゃないことを知る。

彼氏に別れを告げられ、住んでいたところを追い出されて困っていた私に、杉下くんは住むところを提供してくれた。

その代わりの条件として、私は彼の婚約者を演じることになった。

そんな彼を、私は優しい人だと思った。

おばあさん思いで、困っていた私に手を差し伸べてくれた杉下くんは本当に優しかった。

だけど…私の隣に座って仕事をしている彼は、よく知っている無口で無愛想な同期だった。
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