オトナチック
電車に乗って、揺られること約30分。

駅について10分くらい歩いたところに、総合病院があった。

おばあさんはこの病院で入院しているようだ。

「ねえ、おばあさんはどう言う人なの?」

病院の中に足を踏み入れると、私は杉下くんに話しかけた。

「いいばあちゃんだよ」

柔らかそうに微笑みながら、杉下くんが答えた。

へえ、そんな風に笑うんだ。

そう思いながら、
「大切にしているんだね」

私は言った。

「うん、大切な俺の唯一の家族だよ」

そう言った杉下くんの顔は普段の無愛想なところからは想像できないくらいに優しかった。
< 55 / 326 >

この作品をシェア

pagetop