黄金と四聖獣
その頭に、シオン様はそっと手を当てて
ぼんぽんと撫でながら、
「心配かけてすまなかった」
と言った。
それに対してエーラは、またむっとしたような
顔で、
「子供扱いしないでください」
と、シオン様の手を頭の上からどけた。
「ごめんごめん」
と、シオン様はにこにこ笑いながら言った。
その光景は、仲のいい兄弟のようで
すごく微笑ましく思えた。
ふたりを見ている私に、エーラは視線を
向けると、
「…笑うなよ、フィアネ」
と言う。
「ふふ、ごめんね。なんだかほのぼのしてるなぁって思って」
そう返すと、エーラは
「もうすぐそんなことも言ってられなくなるな。」
と言って立ち上がった。
その後、エーラは髪を少しだけ手で撫でた。
するとすぐに、寝癖でボサボサだった頭は
直っていた。