黄金と四聖獣
「さて…」
シオン様は、呟くように言うと
私とエーラの手を握って言った。
「これから、西の森に向かう。付いて来てくれるな?」
その言葉に、私もエーラも力強く頷く。
「シオン様が望むのならどこへでも」
エーラが少しだけ挑戦的な笑みを浮かべて
そう言う。
「私も、どこへでも付いていきますよ」
そう繰り返すように言うと、
シオン様は穏やかに微笑んで、
「ありがとう」
とだけ言った。
バサッという音が聞こえた気がして私は少し
上を見上げてみた。
すると、クオンが何処からか部屋の外へと
出てきていて、シオン様の頭の上に止まった。
「重っ…」
と、シオン様は首が曲がりそうになっていたが
なんとか耐えたみたいで、視線だけクオンの
方に向けて言った。
「クオンもついてきてくれるか?」
そう聞くと、クオンはピィーと鳴いた。
今日は、シオン様をビンタしたりしないみたい
と、私は少し安心した。