黄金と四聖獣



「さて…」


シオン様は、呟くように言うと


私とエーラの手を握って言った。






「これから、西の森に向かう。付いて来てくれるな?」



その言葉に、私もエーラも力強く頷く。





「シオン様が望むのならどこへでも」


エーラが少しだけ挑戦的な笑みを浮かべて


そう言う。





「私も、どこへでも付いていきますよ」



そう繰り返すように言うと、



シオン様は穏やかに微笑んで、


「ありがとう」



とだけ言った。




バサッという音が聞こえた気がして私は少し


上を見上げてみた。




すると、クオンが何処からか部屋の外へと


出てきていて、シオン様の頭の上に止まった。




「重っ…」



と、シオン様は首が曲がりそうになっていたが


なんとか耐えたみたいで、視線だけクオンの


方に向けて言った。






「クオンもついてきてくれるか?」

そう聞くと、クオンはピィーと鳴いた。




今日は、シオン様をビンタしたりしないみたい



と、私は少し安心した。





< 111 / 418 >

この作品をシェア

pagetop