黄金と四聖獣
「…クオン、お願い」
私はそう言って、クオンが止まっていた方の
腕を、クオンが飛びやすいように振った。
すると、クオンは素早く飛び出して、
矢を放った男をつついて木の上から落とした。
「女がいるぞ!先にとっ捕まえろ!」
という声と共に、私の方に山賊が走ってくる。
一対十で、近接戦になったら、私に勝ち目は
ないよね…
そう思いながら、弓を構えると
私のと山賊たちの間に一つの影が割り込み、
山賊たちを蹴り倒した。
「お前達の相手は俺だよ」
そう、冷たい声で山賊たちを見下ろしたのは
エーラだった。
「黒髪と金髪の男二人、化け物みたいに強いぞ…」
そう、山賊の一人が怯えたようにいう。
誰もこちらを見ていない隙に、私は羽を出して
木の上に飛び乗ると、
木の上から弓を射る。
その弓は、山賊たちの服に刺さり、貼り付け
状態にした。
血は、あんまり見たくない。
そう思っているのは私だけではないみたい
だった。
エーラは刀を抜かず、蹴ったり殴ったりで
敵を制圧してしまっているし、シオン様は
刀の背を敵に向けて、みね打ちで倒している。