黄金と四聖獣
「…私にも、ハッキリとした自覚があるわけじゃないが…そうみたいだ」
そうシオン様が答える。
私は、
「なぜ、麒麟様のことを知っているの?」
と、女将さんに聞いた。
すると女将さんは、こちらを見ると
「あんたは朱雀だろう?」
と、質問の答えではないものが返ってきた。
「…そう…ですけれど…なぜ」
私を朱雀だと見破った人など、今までたくさん
の人と出会って来たが居なかった。
「その美しい赤い髪に、端正な顔立ち。見惑うはずかない。イーリア様によく似てらっしゃる」
と言うと、ふぇっふぇっふぇと笑う。
…イーリア?
それは…
「それは、初代朱雀の名ですよね?初代のことを、知っているの!?」
と聞くと、女将さんは
「焦るでない。全て話す。」
とだけ答えた。