黄金と四聖獣
「木の上に女がいるぞ!」
「引きずり下ろせ!」
兵たちの中からそんな声が聞こえ、私は
エーラに向かって、言った。
「フィアネの方に兵が行った!ここは大丈夫だから、フィアネの方に行ってくれ!」
エーラは反論しようと口を開いたが、
思い直したように、言った。
「わかりました!また後で!」
エーラはそういうと、私に背を向けた。
私はまた後で、という言葉に死ぬなという
意味も含まれているように感じ取った。
「死なないよ。」
エーラの背に向かってつぶやくと、
私は兵の方に向き直って、兵を刀ごと
薙ぎ払う。
今はなぜだか、負ける気がしないんだ。