黄金と四聖獣
「でも、私には麒麟としての記憶もないし…」
そう言うと、フィアネは
「記憶がなくても、あなたは麒麟様です。その黄金の瞳を見まどうはずありませんから。」
フィアネはそう言って笑う。
「黄金の瞳…?私の目は水色だったはず…」
「あら、気づいてないんですか?」
フィアネはそう言うと、きょろきょろ辺りを
見回していった。
「あ、あっちの方に川があります。姿を映して見てみるといいですよ。私はエーラさんについてますから」
その言葉に従い、川の水の音がする方に
歩いていき、綺麗な水の流れる川をのぞき
込んだ。
するとそこには、自分の姿が映り、
目を見開いた。
金色だ…獣のような、黄金の瞳。
さっきの戦闘の時に、前髪が邪魔で全て
上に上げたままだったせいで、いつもは前髪で
見えない左目も見えていた。
黄金に輝く二つの眼は、川からじっとこちらを
見つめていた。