名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~
「っ」


迷って考えてつけたされた、です、に。

消えた言葉尻に。


泣きたくなる。


きゅうう、と締めつけられた胸に迫る感情の名前は、初め分からなかった。


……泣きたい。泣いてしまいたい。


喜びに。感慨に。抑えてきた苦しさに。

抱えたままの、たくさんの思い出に。

わたしの十七年間に。

何より、わたしの長い片思いに、声を上げて泣きたかった。


——俺の彼女になって欲しい、です。


そう小さく締めくくられた告白の答えを、そうちゃんへの告白の仕方を、わたしはどれくらい長い間考え続けてきたんだろう。


何度、何度、夢に見ただろう。


何度、思い描いてきただろう。


くしゃくしゃの顔で、そっと笑った。


……絶対に笑おうと、決めていた。
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