Special coffee, with you.【番外編追加】
「え・・っと、合コンには行きません・・」

あ~、安藤さんに聞かれてしまった。

しかも話題が合コンだなんて・・もう最悪。

いつも合コンに行っていると思われたかな?

気落ちしている私の気持ちなんて分からないだろうなぁ。

安藤さんは気に留めている感じもなく次々にカップやソーサーを拭き続けている。

「そうなんですか?」

愛想笑いなのか、安藤さんはほんの少し笑みを見せた。

いつもならその表情を見れたら嬉しくなるのに、今はそう思えない。

そんな自分勝手な感情すら嫌になる。

だからつい拗ねるような口調で返してしまった。

「私は合コンには行きません」

そんな私の顔をじっと見たあと、苦笑してカップを置いた。

するとオーダーは入っていないのにコーヒー豆を挽き始めたので、私は黙って安藤さんがドリップする姿を眺めることにした。

いつもながら見惚れてしまう姿だ。

そして淹れ終わるとサーバーを手にカウンターを出て、私の横まで来てニコッと微笑んだ。

「せっかく佐野さんが合コンに行かずにお店に残って頂けたので、コーヒーをサービスさせて下さい」

「えっ・・そんな」

私が驚き戸惑っていると、カップを手に取りコーヒーを注いでくれた。

カップに満たされたコーヒーを見て戸惑ってしまう。

「2杯分淹れたのでどうぞ付き合ってください」

そう言いながらまだ1杯分コーヒーの入ったサーバーを軽く振って見せた。

そしてカウンターに戻りカップに注ぐと飲み始めたので、「ありがとございます」とお礼を言って手元のコーヒーを見つめた。

そして一口飲むといつもの私の大好きなブレンドコーヒーで、自然と笑みが出てしまう。

「美味しいです」

嬉しい気持ちを伝えると、また笑顔を見せてくれた。

向かい合ってコーヒーを飲んでいることが何だか特別で、くすぐったいような気持ちになる。

安藤さんにとっては常連のお客の1人でしかないだろうけど、今日はほんの少しだけ距離が縮んだような気がして嬉しくなった。


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