となりの専務さん
「え?」
「アンタ社会人だって大家が言ってた気がするけど、大卒?」
「あ、はい。今年二十三です」
「じゃあ俺二個下だし、なおさらタメ口でいい。むしろタメ口で話せ」
年上扱いしてくれてる割には命令口調だけど……でも、そう言ってくれるのはもちろんうれしかった。より距離が縮まった気がした。
「……じゃあ、タメ口で」
「ん」
「……木崎くん、でいいですか? あ、じゃない、いい?」
「凛(りん)でいい。木崎 凛太朗(りんたろう)だから。みんなそう呼ぶし」
「……凛くん」
「……アンタは?」
「え?」
「名前。石山さんだっけ?」
「いえ、石川です」
「下の名前は」
「広香です」
「広香な」
そう言うと木崎さん……凛くんは、頬をポリ、と掻く仕草を見せた。
「じゃあ、私そろそろ部屋に戻るね」
私がそう言うと、凛くんも「おう」と答えたけど。
「あ」
「なに?」
「その……」
凛くんはなにか言いづらそうにしながら、ゆっくりと自分のジーパンの後ろポケットに入っていた携帯を取り出した。そして。
「……LINE、教えて」
「え?」
「そ、その、同じアパートだし、そういうの知ってた方が都合いいこともあるかもしれないだろ」
「ああ、そうだね。凛くんが今日みたいに掃除サボった時とかね」
「うっせ。いいから教えろ」
そんな会話をしながら、私は凛くんとLINEのIDを交換した。凛くんのLINEのアイコンは、さっき弾いてもらった彼の相棒のベースの画像だった。
「アンタ社会人だって大家が言ってた気がするけど、大卒?」
「あ、はい。今年二十三です」
「じゃあ俺二個下だし、なおさらタメ口でいい。むしろタメ口で話せ」
年上扱いしてくれてる割には命令口調だけど……でも、そう言ってくれるのはもちろんうれしかった。より距離が縮まった気がした。
「……じゃあ、タメ口で」
「ん」
「……木崎くん、でいいですか? あ、じゃない、いい?」
「凛(りん)でいい。木崎 凛太朗(りんたろう)だから。みんなそう呼ぶし」
「……凛くん」
「……アンタは?」
「え?」
「名前。石山さんだっけ?」
「いえ、石川です」
「下の名前は」
「広香です」
「広香な」
そう言うと木崎さん……凛くんは、頬をポリ、と掻く仕草を見せた。
「じゃあ、私そろそろ部屋に戻るね」
私がそう言うと、凛くんも「おう」と答えたけど。
「あ」
「なに?」
「その……」
凛くんはなにか言いづらそうにしながら、ゆっくりと自分のジーパンの後ろポケットに入っていた携帯を取り出した。そして。
「……LINE、教えて」
「え?」
「そ、その、同じアパートだし、そういうの知ってた方が都合いいこともあるかもしれないだろ」
「ああ、そうだね。凛くんが今日みたいに掃除サボった時とかね」
「うっせ。いいから教えろ」
そんな会話をしながら、私は凛くんとLINEのIDを交換した。凛くんのLINEのアイコンは、さっき弾いてもらった彼の相棒のベースの画像だった。