となりの専務さん
ギターボーカルの人もとても上手で、ライブに引き込まれて。
でも、凛くんのベースのソロを聴いた瞬間。

時間が止まった気がした。

凛くんの世界に連れていってもらった気がした。

すごい。本当にロイのベースみたい。


でも、それ以上に驚いたのは。
凛くんが言ってた、凛くんがボーカルをやる曲。
すごい……ギターボーカルの人も上手だったけど、凛くんの声……低いのに透き通ってるような、どこまでも澄み渡る不思議な声。
心地いい。
凛くんの音楽への愛情みたいなのが伝わってくる気がした。



数曲の演奏が終わり、ライブは終了した。
クロックスの曲も何曲かあって、本当に楽しかった。
大樹くんも、クロックスは知らなかったみたいだけど、楽しんでくれたみたい。よかった。


ライブが終わってすぐに、凛くんと目が合った。
……でも、女の子たちがバンドのメンバーの人たちをーーとくに凛くんを囲んでしまって、話せそうになかった。

とりあえずその場から、「お疲れ様! よかったよ!」とだけ声をかけた。
凛くんは、申し訳なさそうに手を振ってくれた。
大樹くんもいるし、とりあえずは駅に向かおう。
凛くんへの感想は、後で言おう。そう思い、大樹くんとその場を後にした。



駅に着き、大樹くんは
「事情はよく知らないけど、お金がないなら夕飯おごるよ? 今日誘ってくれたお礼!」
とやさしいことを言ってくれたけど、おごってもらうのは悪いし、気持ちだけ受け取って、家に帰った。
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