となりの専務さん
「そちらの方が、石川様ですね?」
その女性が、私の方を見ながらそう言った。
「は、はい。い、石川 広香と申します。は、初めましてっ。こんにちは……っ」
私が頭を下げて女性にそう言うと。
「初めまして。私はこのお屋敷で使用人をしている者です。石川様のことはぼっちゃまからよく伺っております」
「え……?」
ぼっちゃまから、と聞いて、チラ、と専務の方を見てみるけど、専務はいつもの無表情だった。
私のなにを話してるのかな?
「あの人はどこにいる? 自分の部屋?」
専務がそう聞くと、その女性は「書庫室においでになられます」と答えた。
『あの人』って……専務のお父さんのことだよね?
その呼び方から、専務と社長の距離感みたいなのが感じられる……。
「じゃ、行くよ」
専務に手を引かれ、私は専務といっしょに部屋を出る。
いよいよ社長と会うんだ……大丈夫かな……。
ーー……
コンコン、と、専務が部屋の戸をノックすると、中から社長の声で「どうぞ」という声がした。
専務がドアノブを回して、部屋の中へ入る。
部屋の中には、会社にいる時とは違う、ラフな格好をした社長が、本を片手に立っていた。
ラフ、と言っても、ネクタイにベストという、品のある格好だった。
書庫室、と言われていたこの部屋は、その名の通り、左右の壁には大きな本棚が置かれていて、その本棚は様々な書物で満杯になっていた。
経済書……とか、海外のなにかの書物……とか、私が今まで読んだことのないような、難しそうな本ばかりだった。
その女性が、私の方を見ながらそう言った。
「は、はい。い、石川 広香と申します。は、初めましてっ。こんにちは……っ」
私が頭を下げて女性にそう言うと。
「初めまして。私はこのお屋敷で使用人をしている者です。石川様のことはぼっちゃまからよく伺っております」
「え……?」
ぼっちゃまから、と聞いて、チラ、と専務の方を見てみるけど、専務はいつもの無表情だった。
私のなにを話してるのかな?
「あの人はどこにいる? 自分の部屋?」
専務がそう聞くと、その女性は「書庫室においでになられます」と答えた。
『あの人』って……専務のお父さんのことだよね?
その呼び方から、専務と社長の距離感みたいなのが感じられる……。
「じゃ、行くよ」
専務に手を引かれ、私は専務といっしょに部屋を出る。
いよいよ社長と会うんだ……大丈夫かな……。
ーー……
コンコン、と、専務が部屋の戸をノックすると、中から社長の声で「どうぞ」という声がした。
専務がドアノブを回して、部屋の中へ入る。
部屋の中には、会社にいる時とは違う、ラフな格好をした社長が、本を片手に立っていた。
ラフ、と言っても、ネクタイにベストという、品のある格好だった。
書庫室、と言われていたこの部屋は、その名の通り、左右の壁には大きな本棚が置かれていて、その本棚は様々な書物で満杯になっていた。
経済書……とか、海外のなにかの書物……とか、私が今まで読んだことのないような、難しそうな本ばかりだった。