となりの専務さん
「は、葉津季さんはどうですか? 好きな人がいるって聞きましたが」
話を逸らすように今度は私から葉津季さんにそう聞くと。
「なかなかお父様が許してくれなくて。でも、がんばる。彼とずっといっしょにいたいから」
笑顔で前向きにそう話す葉津季さんからは、お金持ちとかお嬢様とか関係なく、自分と同じ、誰かに恋をするひとりの女の子なんだなぁと感じられた。
だから。
「私もです。うまくいくことばかりじゃないんですが、私も専務とずっといっしょにいたいから、がんばります」
葉津季さんに同意する意味でそう伝えたんだけど……
葉津季さんの顔は、なぜか曇った。
私、なにか変なことを言っただろうか。
「葉津季さん……?」
呼びかけると、葉津季さんはゆっくりと口を開いた。
「……あの、ですね。私が今日広香さんに会いに来たのは、涼ちゃんのことで話があって」
「え……はい」
まぁ……私と葉津季さんの共通点と言ったら専務くらいだし、専務のことで用があって会いに来てくれたというのは不思議じゃないけど……。
葉津季さんは続ける。
「……涼ちゃん、役職を外されるかもしれません」
「え……?」
「おじ様……あ、涼ちゃんのお父様、つまり、広香さんの会社の社長ね。おじ様が、私に連絡をしてきたんです。涼太と結婚しろとは言わないから、涼太を今の彼女と別れさせてくれって。そして、涼太が今の彼女と付き合い続けるなら、涼太を役職から外すって」
話を逸らすように今度は私から葉津季さんにそう聞くと。
「なかなかお父様が許してくれなくて。でも、がんばる。彼とずっといっしょにいたいから」
笑顔で前向きにそう話す葉津季さんからは、お金持ちとかお嬢様とか関係なく、自分と同じ、誰かに恋をするひとりの女の子なんだなぁと感じられた。
だから。
「私もです。うまくいくことばかりじゃないんですが、私も専務とずっといっしょにいたいから、がんばります」
葉津季さんに同意する意味でそう伝えたんだけど……
葉津季さんの顔は、なぜか曇った。
私、なにか変なことを言っただろうか。
「葉津季さん……?」
呼びかけると、葉津季さんはゆっくりと口を開いた。
「……あの、ですね。私が今日広香さんに会いに来たのは、涼ちゃんのことで話があって」
「え……はい」
まぁ……私と葉津季さんの共通点と言ったら専務くらいだし、専務のことで用があって会いに来てくれたというのは不思議じゃないけど……。
葉津季さんは続ける。
「……涼ちゃん、役職を外されるかもしれません」
「え……?」
「おじ様……あ、涼ちゃんのお父様、つまり、広香さんの会社の社長ね。おじ様が、私に連絡をしてきたんです。涼太と結婚しろとは言わないから、涼太を今の彼女と別れさせてくれって。そして、涼太が今の彼女と付き合い続けるなら、涼太を役職から外すって」