となりの専務さん
「……そう」

専務は静かにそう答えた。


そして。

「恋人同士のうちに、なにか言い残したこととかない?」

と聞いてくれて。


本当は好きです。

ずっといっしょにいたい。

ずっととなりにいてほしい。


伝えたいことなんてたくさんある。
さっきふたりで見た星の数に負けないくらい、たくさんたくさんあるよ。


でも、それを伝えたら離れたくなくなるから。

伝えちゃいけない気がしたから。



「……ない、です……っ」

私は声を絞り出して、そう答えた。



「……わかった」

専務はそう言ってくれた。
けど。


「俺は言い残したこと、あるよ」

「え?」

「言ってもいい?」

私がコクンと首を縦に振ると。



ーードサッ。

「きゃっ」

専務の右手が私の肩に触れたと思った瞬間、強い力で突然その場に押し倒された。


「専……?」

座布団が敷いてあったから痛くはなかったけど、私を見下ろす専務の表情が……無表情と言うよりも、ただただ冷たくて……。


専務は言った。

「ヤらせてくれない?」

「え⁉︎」

「これで終わりなら、一回くらいいいでしょ? まぁ、ただの思い出作りだけどね。君だって、この際処女卒業したら?」

専務らしくない冷たいことを言いながら、専務の舌が私の首筋をつたった。


「ひゃ……っ」

初めての感覚に、背中がぞくっと震えた。


「ん……っ、んっ、んっ」

そして重ねられた専務の唇から、ムリやり舌を突っ込まれた。押さえつけられているから、抵抗ができない。苦しい。
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