となりの専務さん
そんなことを考えながら仕事を続け……
就業時間近くになった頃だった。
コンコン、と誰かが商品企画部の入り口をノックする音が響いた。
どうぞ〜、と部長がのんきな声で返事すると。
「失礼します」
スッと部署に入ってきたのは、なんと社長だった。
「どっ、どうなさいましたか社長!」
社長が部署に来ることなんて、めったにない。私ももう三年この部署で働いているけど、社長が来たことはほんの数回だった。
しかも、みんなの様子からして、社長は連絡なしに突然来たみたいだ。そんなことは今まで一度もなかった。
……だから、もしかしたらって思ったんだけど。
「石川さん、ちょっといいかい?」
社長は私にそう声をかけた。
「は、はい……っ」
私はザッと机の周りを片づけて、先に部署を出た社長のあとを追いかけようとする。
「広香、なにやったんだよ!」
「クビ⁉︎」
「広香さん、私、広香さんから教わりたいことがまだいっぱいあります!」
部署を出ていこうとする私に、大樹くんと鹿野さん、そして今年から入社してきた新人のユウキちゃんが叫ぶように言う。
なんでみんなマイナス思考なんだ⁉︎
私は「大丈夫です」と答えてみんなに背を向けた。
みんなに比べたら、私自身は落ち着いてはいた。呼び出された理由は……なんとなくわかっていたから。
それでも、緊張するのに変わりはなかったけど。
就業時間近くになった頃だった。
コンコン、と誰かが商品企画部の入り口をノックする音が響いた。
どうぞ〜、と部長がのんきな声で返事すると。
「失礼します」
スッと部署に入ってきたのは、なんと社長だった。
「どっ、どうなさいましたか社長!」
社長が部署に来ることなんて、めったにない。私ももう三年この部署で働いているけど、社長が来たことはほんの数回だった。
しかも、みんなの様子からして、社長は連絡なしに突然来たみたいだ。そんなことは今まで一度もなかった。
……だから、もしかしたらって思ったんだけど。
「石川さん、ちょっといいかい?」
社長は私にそう声をかけた。
「は、はい……っ」
私はザッと机の周りを片づけて、先に部署を出た社長のあとを追いかけようとする。
「広香、なにやったんだよ!」
「クビ⁉︎」
「広香さん、私、広香さんから教わりたいことがまだいっぱいあります!」
部署を出ていこうとする私に、大樹くんと鹿野さん、そして今年から入社してきた新人のユウキちゃんが叫ぶように言う。
なんでみんなマイナス思考なんだ⁉︎
私は「大丈夫です」と答えてみんなに背を向けた。
みんなに比べたら、私自身は落ち着いてはいた。呼び出された理由は……なんとなくわかっていたから。
それでも、緊張するのに変わりはなかったけど。