エリート上司と秘密の恋人契約
初めて入るカフェのドアを開けるとカウンター席に座っている和真の姿が目に入った。

足を組んで座り、タブレットを操作する姿はかっこよくて目が奪われる。

近くでコーヒーを入れている女の店員さんがチラチラと見ている。かっこいい和真を意識しているのが分かる。

私が隣の椅子にカバンを置くと和真はタブレットから目を離して、見上げてきた。


「早いのね」


「美弥こそ早いな。じゃあ、行こうか」


「えっ? もう?」


「うん」


隣に座ってコーヒーをオーダーしようと思っていたけど、座る暇もなかった。

和真はタブレットをカバンにしまい、伝票を手にして立ち上がる。

私は会計をする和真の後ろに立って、終わるのを待った。これからどこに行くのだろう。


「俺のマンションに行くけど、いい?」


「うん。いいけど」


これから和真の家?

私はつい心を弾ませてしまう。和真と二人だけになれることが単純に嬉しくなった。

タクシーを拾って乗り込むと手を握られる。驚いて、和真の顔を見ると和真も私を見た。
< 139 / 232 >

この作品をシェア

pagetop