エリート上司と秘密の恋人契約
たったの1日だけしか一緒にいられなく、また辛い思いをしてしまうと分かるのに……それでも少しの時間でもいいから和真との時間を共有したかった。

和真が私を求めるなら、それを受け止める。

私も和真を求めてしまっていたから、一緒にいられることが嬉しかった。

あの1ヶ月は夢だったと忘れているつもりで過ごしてきたけど、それはつもりだけで、心の奥底では忘れることが出来ていなかった。

求められることを嬉しく思う私は、今でも和真のことが好きなんだと実感する。

やっぱり好きになったら負けなんだな。

長いキスが終わったとき、自分の愚かさに笑みがこぼれる。


「何がおもしろいの?」


「やっぱり和真だなと思って」


「何だよ、それ……」


私の意味不明な答えが不満らしい和真が眉間にシワを寄せるのがおもしろくて、また笑うと唇を塞がれる。

絡まる舌が熱くて、息苦しくなる。だけど、和真はマンションに着くまで何度も繰り返しキスをした。

和真の部屋に入るとお兄さんがいつ来てくれたのかは分からないけど、締め切っている部屋は空気がよどんでいるように感じた。
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