エリート上司と秘密の恋人契約
「やっぱりさ、ニューヨークに一人でいると寂しくなるんだよ。そういうときは仕事に集中させるんだけど、気付くといつも美弥の顔が浮かんでいた」


「私も和真を思い出さないように、仕事に集中させたよ」


「へー、美弥も?」


「うん。集中させたら和真のことを考えなくなった」


どんなに想ってもこの想いは和真には届かないと自分に言い聞かせるようにして、考えないようにした。和真への想いも封印した。


「は? 考えなくなった? 美弥、好きな人が出来た?」


和真は何だか焦るように体を起こし、私の上に来て、両手を顔の横に置く。


「えっ? 好きな人は出来ていないよ。和真の他には……んんっ……」


切ない表情をしているように見えたのだけど、それは一瞬だけで、熱い瞳で私を見て、キスをする。今日は数え切れないほどのキスをしている。

会えなかった時間をうめるように。


「美弥、美弥……美弥」


何度も私の名前を繰り返して、和真はまた抱いて、次に目を開けた時は朝になっていた。

彼女でいられる時間はあと何時間?
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