エリート上司と秘密の恋人契約
四角い壁時計を見ると時刻は9時になるところだった。

指折り数えてみる……残りはあと9時間だ。

隣で寝ている和真の胸に頭をのせて、心臓の音を聞く。

ニューヨークに戻るのは仕方ないことだけど、どうしてまた別れなくてはならないのかな。

離れたとしても恋人でいられたら、寂しさは少なくなると思うのに。

「別れたくない」と言ってもいいかな?

でも、それでも「別れる」と言われたら、悲しくなる。やっぱり言わないほうがいいかな。


「んー。……美弥? おはよう」


「おはよう」


目を開けた和真の頬にキスをした。


「やっぱりいいね」


「何が?」


「起きたら美弥がいるというのが嬉しい」


「フフッ、私も」


もう一度、和真の胸に頭をのせると何度も優しく撫でてくれる。何だか猫になった気分で気持ちがいい。

ずっとこのままでいられたらいいな。

その時、和真のお腹から低い音が聞こえた。


「あ、腹鳴っちゃった。そういえば夕飯も食べてなかったな」


「クスッ。うん、お腹空いたね」
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