エリート上司と秘密の恋人契約
和真は私の誕生日なんて覚えていないし、気に止めてもいないだろう。


ロビーで待ち合わせをした小沢と駅に向かって歩く。


「ねえ、どこに連れていってくれるの?」


「着くまでのお楽しみにしといて」


電車に揺られて着いたところは何度か利用したことのある駅。

この近くのレストラン……まさか……嫌な予感がしたけど、小沢についていく。


「ここ?」


「うん。ここの最上階にあるレストランなんだけど、もしかして、来たことあった?」


「あ、うん。1度ね」


そこは、去年、和真と来たホテルで初めてデートしたレストランだった。こんな偶然もあるんだ。

小沢と来たことで和真との思い出が塗り替えられるような気がした。

しかし、塗り替えたくはない。


「一応言っておくけど、レストランしか予約してないからな。変な警戒しないでよ」


「クスッ、分かってるわよ。あー、お腹ペコペコ。早く行こう」
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