お帰り、僕のフェアリー
一旦、場が和むと、あとは楽しい夕餉となった。
お父さまは、市の各局長を歴任し、現在は助役。
定年退職後に、おじいさまの跡を継いで国会議員を目指す予定らしい。
た、大変ですね。
お母さまも静稀も、とにかく選挙が嫌らしく、猛反対しているのだが、お父さまはおじいさまのお気持ちを最優先に考えていらっしゃるようだ。
本当に、いいご家族だな。
僕は、心から静稀の実家が好きになった。
結局、この夜は泊めていただいて、翌朝辞去した。
1ヶ月半ぶりの我が家は、マサコさんのおかげでとても快適に保たれている。
が、静稀の温かいご家族と過ごした後では、やはり独りは淋しく感じてしまった。
……なんとなく、僕は突発的に渡仏してしまった。
東京から届いていた荷物から数日分をスーツケースに詰め、関空へ。
Air France(エール・フランス)のパリ行きを待って、飛び立つ。
約12時間半の空の旅。
飛行機の中で、伯父や静稀にメールで知らせる。
……静稀はものすごく驚いているようだが、別に僕が静稀や日本から逃げだしたわけじゃないことを理解してくれているようだ。
自分でも説明がつかないのだが、まあ、静稀の実家に行ったことで里心がついた、というところだろう。
伯父一家は残念ながら、既にニースの別荘へバカンスに飛んだとのこと。
仕方なく、僕は、パリからニースへとさらに1時間半のフライトをすることになる。
本当はパリで2、3日過ごしてすぐ帰るつもりだったのだが……。
一応こっちに来た名目は、Catherine(カトリーヌ)の結婚式のドレスの相談、というつもりなので、伯父や彼女がニースにいるならそっちに行かないと意味がない。
こうして、僕は13年ぶりにフランスの地を踏んだ。
Aéroport Nice Côte d'Azur(ニース・コート・ダジュール空港)には、伯父が迎えにきてくれた。
「Thierry(ティエリー)!」
僕が伯父の名前を呼んで駆け付けると、伯父は両手を広げて僕を抱きしめた。
……ココからの会話は当然フランス語だが、便宜上日本語で記すことにしよう。
「Serge(セルジュ)!よく来てくれたね!会いたかったよ!」
突然押しかけて迷惑がられないか、と、不安だった僕は伯父の心底うれしそうな歓迎に、ぐっと胸がつまり、涙をこぼしてしまった。
仕事でいない父に代わって、ずっと僕を手元で育ててくれた伯父は、僕にとっては故郷そのもの。
改めて僕は、伯父に感謝と敬愛を抱いた。
結局僕はニースで2日間を、そのあとパリで1日過ごした。
伯父は僕がニースにいる間、パーティーもコンサートも欠席して、ずっとそばにいてくれた。
たくさん話をした……昔のこと、会えなかった時のこと、これからのこと。
どれだけ時間があっても足りない。
もちろん静稀の話も。
お父さまは、市の各局長を歴任し、現在は助役。
定年退職後に、おじいさまの跡を継いで国会議員を目指す予定らしい。
た、大変ですね。
お母さまも静稀も、とにかく選挙が嫌らしく、猛反対しているのだが、お父さまはおじいさまのお気持ちを最優先に考えていらっしゃるようだ。
本当に、いいご家族だな。
僕は、心から静稀の実家が好きになった。
結局、この夜は泊めていただいて、翌朝辞去した。
1ヶ月半ぶりの我が家は、マサコさんのおかげでとても快適に保たれている。
が、静稀の温かいご家族と過ごした後では、やはり独りは淋しく感じてしまった。
……なんとなく、僕は突発的に渡仏してしまった。
東京から届いていた荷物から数日分をスーツケースに詰め、関空へ。
Air France(エール・フランス)のパリ行きを待って、飛び立つ。
約12時間半の空の旅。
飛行機の中で、伯父や静稀にメールで知らせる。
……静稀はものすごく驚いているようだが、別に僕が静稀や日本から逃げだしたわけじゃないことを理解してくれているようだ。
自分でも説明がつかないのだが、まあ、静稀の実家に行ったことで里心がついた、というところだろう。
伯父一家は残念ながら、既にニースの別荘へバカンスに飛んだとのこと。
仕方なく、僕は、パリからニースへとさらに1時間半のフライトをすることになる。
本当はパリで2、3日過ごしてすぐ帰るつもりだったのだが……。
一応こっちに来た名目は、Catherine(カトリーヌ)の結婚式のドレスの相談、というつもりなので、伯父や彼女がニースにいるならそっちに行かないと意味がない。
こうして、僕は13年ぶりにフランスの地を踏んだ。
Aéroport Nice Côte d'Azur(ニース・コート・ダジュール空港)には、伯父が迎えにきてくれた。
「Thierry(ティエリー)!」
僕が伯父の名前を呼んで駆け付けると、伯父は両手を広げて僕を抱きしめた。
……ココからの会話は当然フランス語だが、便宜上日本語で記すことにしよう。
「Serge(セルジュ)!よく来てくれたね!会いたかったよ!」
突然押しかけて迷惑がられないか、と、不安だった僕は伯父の心底うれしそうな歓迎に、ぐっと胸がつまり、涙をこぼしてしまった。
仕事でいない父に代わって、ずっと僕を手元で育ててくれた伯父は、僕にとっては故郷そのもの。
改めて僕は、伯父に感謝と敬愛を抱いた。
結局僕はニースで2日間を、そのあとパリで1日過ごした。
伯父は僕がニースにいる間、パーティーもコンサートも欠席して、ずっとそばにいてくれた。
たくさん話をした……昔のこと、会えなかった時のこと、これからのこと。
どれだけ時間があっても足りない。
もちろん静稀の話も。