小悪魔な彼の想定外な甘い策略
「…………っ」

「…………、……」


ん?

なんか、聞こえた。
低めの声と高めの声だから……男の人と女の人の、会話みたいな?


「……ここじゃ、やだし」


「じゃ……あ、上行く?」


「……っ、ん、」


すい、と心臓が冷たくなる。

私、あの声、知ってる。
そして……何をしているか想像がついてしまうほどに私はオトナ。


そんなことを考えていたら、もう1歩も動けなくなってしまって。
ここにいたらまずい、このままじゃまずい、って分かっているんだけど,どうにもできない。


「……やぁだ、……」


甘えたようにじゃれる声がはっきりと聞こえてくる。
ほんとまずい、戻らなきゃ、そう思った瞬間、目の前のカウンター脇のところから人が出てきて。


分かっていたけれど、そこにいるのは本当に蓮田さんで。
そのすぐ後ろには、見たことない女の人。
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