小悪魔な彼の想定外な甘い策略
「ね、もしかして」


楽しそうな表情で笑いながら詩音さんが、可愛らしい顔を近づけてくる。
今まで気がつかなかったけど、この子、絶対私より若いし、何よりめちゃくちゃかわいい!


「……はい?」


笑顔の詩音さんが『ひそひそ話』のポーズを取っているので、やや身を固くしながら、耳を傾ける。


「オレンジ、転がされた?それとも、割れたバカラのグラス見せられた?」


「……へ」


割れたグラスは知らないけれど、転がるオレンジなら記憶に新しい。
て言うか、何でそんなことをこの子が知っているんだろう。


固まっているであろう私を見て、満足そうに詩音さんが言う。


「それね、あの人の常套手段」


歌うように、さらっと言い放たれた言葉はとても衝撃的で、私の脳はすぐに理解することが出来なくて。


「……常套……手段?」


機械的に、聞こえた言葉を呟くことが精一杯。
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