小悪魔な彼の想定外な甘い策略
「……すみれさん、何か、気づきませんか?」


その、綺麗な瞳に私が写るのが見えた。


なにか、気付く……?


「なっちゃんセンセと飲んでたんですね、すーちゃんセンセ」


また、何言って……と言いかけたとき、頭の中でキラリ、と何か、光ったような気がした。


なっちゃんセンセー。
すーちゃんセンセー。


脳裏にふわりと浮かぶ、かわいい顔をした男の子。


にこにこと、まるで女の子みたいな。

真剣な顔と、ふざけたときのギャップの激しい子。


背がとても低くて、体つきも、華奢で。


「と、も……くん?」


自然と、口をついて出た、名前。


ともくん。

梶山智君。


……嘘でしょう?!


「……はい、そうです。お久し振りです、すーちゃんセンセ」


にこり、と微笑むその綺麗な顔が、記憶の中の男の子と重なる。


ああ、私はこの子を知っている。


寧ろ、今までどうして忘れていたんだろう。
どうして、気がつかなかったんだろう。
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