小悪魔な彼の想定外な甘い策略
「いや、もう今回の件で助けてもらったし……ていうか、彼女いるじゃん、やめてよもう!」


なるべくいつもの雰囲気になるよう、笑い飛ばしてみる。
……なのに、梶山君は酷く冷静に言葉を返す。


「まだ気づかないんですか?背が高くて、黒髪のロング。いつもにこにこ優しくて、天然っぽいところもあって……」


うん、知ってる。
決まり文句のように、梶山君がぞっこんの彼女の説明をするときのもの。

さすがの私も、耳に残っている。



「それ、塾でバイトしてた頃のすみれさんです」


……へ?

ため息まじりに言い放つ梶山君の口から出る白い息を不思議な気持ちで見る。



な、何言ってんの……?


「丁度いいんすよね、本命がいるって断りを入れておけば、女の子と遊んだ後も面倒なことになりにくいし。で、どうせなら自分の大好きだった人の形容をして、聞かれたら答えてました」



聞かれたら答えてた?

いやいやいや、いつも積極的に言っていたよね?
思わず脳内でつっこむ。
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