小悪魔な彼の想定外な甘い策略
ぐい、ぐい、ぐい。


ぐい、ぐい、ぐい。


「……ん、むぐ、かじや……」


なんとか身体に力が入り、顔をずらしてやっと声が出る。


「あ、動き出した」


「は?なに?なにごと??」


状況が分からず、取り合えず聞いてみる。


梶山君は、さっきも、今も顔色1つ変えずに飄々としている。


「なんか、腰が抜けるのって、脳のショック状態らしいっすよ。だから、指先とか、唇とか、脳が担当するエリアの広いとこを擦るとか刺激すると早く回復するっていう」


「……脳 」


「脳、です」


何だか拍子抜けしつつ、試しに椅子からふらりと立ち上がってみる。


「おおお!」

ただ立ち上がっただけなのに、拍手をしてくれる梶山君。

一瞬でもキスされるのでは?とか思った私、本気で欲求不満なんじゃないの……。


梶山君は、その、脳の何たらに基づいて処置してくれただけなのに。

色ボケババアかっつーの。
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