小悪魔な彼の想定外な甘い策略
いや、なんか違うから。悪意を端々に感じると言いますか……。

オレンジはみかんになっちゃってるし、連れ込まれただの、そそのかされただの……。


「な、なんか、言葉で表しちゃうとどうしようもないね、私」


「わりと」


「!!か、梶山君に言われたくないけど!」


自分で自虐的に言っておきながら思わず言い返す。

だって、私は決して派手な私生活じゃないもん。
男運は悪いけど、梶山君みたいにチャラチャラしてないし……。


「……俺は、好きでもない人とヤったかどうかも分からない状態にはならないっす……あ」


言いながら梶山君が自分の頭を叩く。


「……そっか、好きなのか」


ざわざわした居酒屋の、片隅の席で。
ふと、一瞬周りが静かになった気がした。


梶山君の言い方が急に変わったからかもしれない。

納得したような、調子が狂ったような、静かなトーン。
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