生神さまっ!
「…やっぱり、ちょっと厄介だね…

…秋奈。春乃を頼んだよ」



走り出そうとする冬斗。



けど…私は動けない。




そんな私を見た冬斗は、1度止まって振り向いて言う。




「…行こう、秋奈。

大丈夫。夏樹も、春乃も。


…俺が守るよ、秋奈」





『俺が守るから、秋奈!』






冬斗に重なって聞こえてきたのは、
小さな男の子の声。


卑弥呼の言葉を思い出す時みたいに、頭の中の記憶からその言葉の主を探す。



…けど、思いつかない。


気の、せい…?




「…秋奈?」


「っ、う、うん!

…任せてよ、頑張るから」


「…頼もしい」



冬斗が一直線で夏樹のもとへ向かう。



私は後ろから卑弥呼の方へ行くように、ぐるりと少し遠回りで、ゆっくりめで走る。




…気付けば、お札に止められた夏樹の炎は、跡形もなく消えていた。



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