生神さまっ!
後ろから出てきた取り巻き野郎共が、俺の肩の辺りを強く押して来たり、足を引っ掛けて来たりする。


最初はなんとなくかわしていたけど、もちろん限界がある。

なんせ1対4だ。




「っ、」



どさっと尻から転んだ俺をみて、裕也はニヤリと笑う。

…ああ、うぜぇ。しくったな、こりゃ。



体を蹴られる。かわしきれないものが辺るが、俺は表情を変えない。

内心、痛い。ただ…


…こんなことに慣れすぎて、俺はもう、表情を操れるようになってしまったのだ。



実際、腹辺りに青アザがあったりする。水泳の時期なんだから、ハッキリ言って見えるところはやめてほしい。


…ま、俺を心配してくれる人なんて、いねえけど。




「ちょっと、そこの4人!なにやってんのよ!!」




…否、

1人…いたかもしれない。




「か、香織!」


「ちょっと、裕也ー!

夏樹になにやってんのよ!!

はいはいどっかいけ!」



「くっそ…

…行くぞ、おい!」




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