同期との境界線
「…麻耶」
美紀が困った様子で話しかけてくる。

「ん?どしたの?別に何もないよ?」
わざと明るい感じで話す。
そうだね、あたしには関係ない。
そうなんだ。

「…手遅れにならないうちに…だよ。麻耶」

美紀が呟いた言葉をあたしは聞こえなかった。


午後はそこから凄まじいペースで仕事をした。何も考えたくない。
おかげですごーくはかどった。

とりあえず、休憩しようとトイレに向かった。


個室の中にいると、外から声がした。
「成宮さん、ほんとやさしーじゃん!」
「でっしょー?」

ぴくっと反応してしまった。
多分声的にさっきの子だ。

「さっきご飯誘ってみたけど、はぐらかされたんだよねー。やっぱりお弁当から攻めた方がいいのかなー?」
「料理できるし、いいんじゃない?」
「なに作るかなー。」
キャッキャした声が遠ざかっていく。

お弁当…あの場所で一緒に食べるのかな。

…嫌だ。あの場所がなくなるのも嫌だし、
悔しいけど、成宮があの子とイチャイチャしながらお弁当食べてるとこも見たくない。
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