腹黒司書の甘い誘惑
***


この数日間は本当にドキドキしていた。

柊也さんと過ごす週末が楽しみだし、緊張するし、色んなことを考えてしまって落ち着かない状態。


今日は朝からそわそわして、時計ばかりを気にしていた。

服装はブラウス、ジャケット、スカート。いつもとあまり変わらないけど、お気に入りのもの。

髪の毛は下ろしていた。

仕事が終わったらトイレで身だしなみをチェックして、駐車場に向かった。

メールがきていて、彼はもう車にいるらしい。

早足で駐車場に入ると、停まっている柊也さんの車に真っ先に向かった。

「お待たせしました!」

やたらと明るい声になってしまったのは、心がはずんでいるから。

「お疲れ」

わずかに口許を緩めた柊也さんも、いつもよりご機嫌な気がする。

楽しみにしていた二人の時間。

「とりあえず、食事に行こう」

エンジンをかけながらそう言った柊也さんに、わたしは微笑んで頷いた。

金曜日の仕事帰りに恋人と食事をするっていうだけで、にまにましてしまう自分。

緩む頬を手で軽く触って隠していた。
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