腹黒司書の甘い誘惑
そう思ったら、ますます自分が情けなくなった。外見の良さに惹かれたりするからこういう恥をかくことになってしまったのだ。

「どうしたの理乃ちゃん?」

黙り込んで眉根を寄せているわたしを、美鈴さんは見つめてきた。

「いいえ、なんでもないです」

本当はあの司書さんがとういう人なのか言ってしまいたくなったけれど、言ったら情けない一目惚れ事情もバレてしまうから言えなかった。

ああ、もう。考えるのやめよう。こういう駄目な恋の経験を次にいかすのだ。
外見に騙されてはいけない。うん、本当に。


こうしてわたしは彼への気持ちを綺麗さっぱり忘れる。
思い出すと恥ずかしくて情けなくて落ち込むから、絶対に思い出さない。そう言い聞かせて、吹っ切る。……はずだった。
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