腹黒司書の甘い誘惑
しばらくそう思いながらクッションを抱えていると、鞄に入っているスマートフォンが鳴りだした。
取りだして画面を見ると、着信は柊也さんだ。

気まずいことなんて忘れて、わたしはすぐに通話ボタンを押す。

「もしもし……!」

『理乃。俺、どうしても君に会いたいんだ』

「うん……わたしも柊也さんに会いたい。昨日はごめんなさい、会わないなんて言って……」

『いや、俺が悪かった。理乃は今日を楽しみにしていたのに』

「いいよ……がっがりした分、明日たくさん柊也さんに甘えていい?」

自分で言って恥ずかしくなって、スマートフォンを耳に当てたまま俯いて足元を見る。

柊也さんはふっと小さな笑みをこぼした。

『わかった。明日、君をたくさん甘やかす』

「……よろしくお願いします」

熱くなった頬を緩め、はにかみながらそう言ったとき、インターホンの音が部屋に響いた。
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