腹黒司書の甘い誘惑
そしてソファーまで来て、わたしを座らせた。
まだくっついていたかったけど、仕方ない。

わたしからゆっくりと腕を離した柊也さんを見ていたら、その視線がテーブルに向いたことに気づく。
そこにはお酒やお摘みに買ったお菓子などが置いてあり、急に恥ずかしくなった。

「あ、あの、一人で飲もうかな、なんて思っていて……よかったら柊也さんもどうぞ」

「そうだな。後で飲もう」

わたしに視線を移した柊也さんは笑った。
まだ気恥ずかしいわたしは、俯いて膝を見る。

「今日、用事ができたんじゃないんですか?」

「ごめん、本当は、」

「浮気、されてるのかと思った」

「……は?」

柊也さんは思い切り眉根を寄せて視線を合わせた。

「だって行動が怪しかったから! 今日、前から一緒に過ごそうって言ってたわたしとの予定よりも急に入った予定を優先しようとするなんて、女の人と会うのかなって思って不安になってたんだよ……」
< 195 / 201 >

この作品をシェア

pagetop