腹黒司書の甘い誘惑
わたしの中では、不安になったことを伝えてそれだけ柊也さんが好きで、わたしの一番の存在だということを伝えたかったのだけど。

柊也さんは少し不機嫌な表情になった。

「君はもう少し自覚してくれないか。俺は君だから安心できる。他の女なんて付き合いたいと思わない。君だけで充分だ。わかったか?」

「っ……」

顔を近づけ、迫るようにしてそう言った柊也さんに、わたしは重心を後ろにして傾きながらドキドキしてしまった。

照れるようなことを言うんだもの。

「わ、わたしだって柊也さん以外の男の人なんてありえないですからね」

「そうじゃないと困る」

頭を撫でられて、くすぐったい気持ちと沸き上がる愛しさ。

「……でも、君を不安にさせてしまったのは俺がヘタに隠そうとしたからだな。悪かった」

謝ってきた柊也さんに、わたしは顔を上げて首を傾げる。
彼は眉尻を下げて、困った顔をしていた。

「急な予定なんて入ってないんだ。ただ俺が、タイミングを合わせたいと思っていただけ」

「……はい?」

どういうことなのかわからず、わたしは首を傾けたまま。

すると柊也さんがわたしの隣に座り、一息吐いた。
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