腹黒司書の甘い誘惑
綺麗な寝顔。心が惹かれてしまう。

なんて、思ってしまったわたしはすぐにその気持ちを打ち消した。
わたしは静かに歩きだし、そっと彼のそばに寄る。

寝ているなら会話をしなくて済むので好都合。だけど荷物、どうしよう。ここに置いておけば気づいてもらえるだろうか。

彼の顔を見つめながら、音を立てずにテーブルへ荷物を置こうとした。
しかし、手元で動かすたびにガサガサと音が出てしまった。

「ん……」

うっ、しまった、起きた?
薄っすらと柊也さんの瞳が開いて、わたしをぼうっと見つめてくる。そのぼんやりとした目元に色気を感じて息をのむ。

「あの、」

荷物のことを伝えようと声をだしたとき。彼がわたしの腕を掴んでぐいっと引き寄せてきた。

「わあっ……!」

バランスを崩して前に倒れそうになったけれど、前のめりになりながら足でギリギリ踏みとどまる。

突然のことに驚いて、時が止まったように柊也さんのことを見ていたら、わたしに向かってもう片方の腕が伸びてきた。
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