あるワケないじゃん、そんな恋。
「本当ですね⁉︎ 洋ちゃんのこと、本当に好きじゃないんですね⁉︎ 」


「う…うん……」


芹那ちゃんの迫力に負けるぅ。

胸の奥がチクッ…!と痛い。

何でなの……。

今した返事のせい……?




「良かった〜〜!!」


花開くみたいに芹那ちゃんの顔が綻んだ。

若くて綺麗な子の笑顔って素敵だぁ……羨ましい……。



「私……ずっと洋ちゃんのこと好きで……。大学受験合格したら告白しよう…ってずっと思ってたんです!でも、ここに来たら菅野さんっていう彼女がいるって聞いてショック感じてたんですけど…。今の言葉からして、洋ちゃんのこと好きじゃないって言われるし、だったら安心!!心置きなく受験に向けて勉強できます!!」


「そ……そう。良かった……」





ニッコニコの芹那ちゃんの顔見ながら、どんどん気持ちが落ち込んでく。


どうしたんだろう。


私ホントに羽田のこと、何とも思ってない筈なのに。



「二人は付き合うのやめたんですよね⁉︎ じゃあ、洋ちゃんは今フリーってことですよね!」


「う、うん…。そうだよ…」


「じゃあ私が告白しても、菅野さんは恨まない⁉︎ 」


「も、勿論!どうして私が恨むの?」



成り行きでほんの少し彼女をやっただけよ。

それも1回目のデートでやっぱ恋はしたくないって思う程大きなダメージ受けたし、気が合って話し易くて一緒にいると飽きない羽田だけど、もう二度と二人きりにはなりたくないし。

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