おふたり日和 ―同期と秘密のルームシェア―
「そのときにさ、お前、正体もないくらい酔ってて。

めちゃくちゃ据わった目で、俺にからんできたわけ」



「う………ごめん」




私は一定量を超えてアルコールを飲むと、かなりのからみ酒になってしまうらしいのだ。


あんまり自分では覚えてないんだけど、翌日になって、『昨日はほんとにめんどくさかったよ』の香苗あたりから言われたことが何度もあった。




「それで、お前は俺に説教をはじめて」



「えっ!?」




またもや予想外の言葉に、私は声をうらがえしてトラを見上げた。



この私が、トラに説教?


ちょっと待ってよ、酔っぱらった私、どれだけ横柄なの?




「せ、説教って………どんな?」



「そうだなあ、いろいろ言われたけど」




トラが目を細めて、おかしそうにくすくすと笑う。




「日比野くんって、実はうちらのことバカにしてるでしょ? みたいな」



「ええっ!? うそ、信じらんない………ほんとごめん、ああもう私サイテー………」



「いや、いいんだよ。たしかに当たってるところもあったし。

そのあと、こう言ったんだよ、うさは。


日比野くんはたしかに仕事ができてすごいけど、ちょっと遠い感じがするんだよね。

うちらとは合わないって、最初から一線を引いてるんでしょう。

だから、もうちょっと腹を割って、みんなに歩み寄ろうとするべきだと思うよ。

そしたら、もっと仕事もしやすくなるし、まわりと信頼関係も築けるはず」




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