おふたり日和 ―同期と秘密のルームシェア―
顔から火が出そうだった。


いったいどんなつもりで、そんな偉そうなことをトラに言ったんだろう………。



でも、心当たりがないわけではなかった。


たしかに、あのころ、トラに近づきがたさを感じていて。


ばりばり仕事はできるけど、あんまり周りに対して本心を見せていないような気がして、世間話なんかは話しかけづらいオーラを放っていたのだ。



でも、いつからか、そういう雰囲気はなくなったような気がする。


いつからだっけ………?




「正直さ、うさにそう言われたとき、かなりぐさってきたよ。

ああ、見抜かれてるな、って思った。


みんなをバカにしてるつもりはなかったんだけど、すこしでも楽して仕事しようとするスタンスとかを見てると、なんか、自分とはタイプが違うなって思って。

だから、仕事以外であえて喋ろうとは思わなかったし。

世間話なんかする暇があったら、仕事したかったから。

でも、そういうの、バカにしてるって思われてもしかたないのかなって反省した」




「そんな………トラのストイックに仕事するところ、すごいなって本当に尊敬してるよ?」




「ありがと。

でも、会社ってさ、仕事だけしてればいいってもんじゃないんだよな」




え? と私は首をかしげた。




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