おふたり日和 ―同期と秘密のルームシェア―
なんだか居心地がわるい。


自分が全然しらないところで、実はトラが私のことを見ていたなんて。



しかも………好き?


やっぱり信じられない。


実感がわかない。



一緒に住んでいた間も、トラは一度だって、そんな雰囲気を私に見せたことがなかったから。




「………私、だまされてないよね?」




心配になって、上目づかいでトラを見つめてしまう。




「は?」




トラは目を丸くして私を見つめ返してしきた。



それからおかしそうに笑う。




「だます? そんなわけないだろ。

ってか、俺がうさをだまして、なにかいいことあるか?」



「………いや、ないけどさ。

でも、なんか、信じられないんだもん。

だまされてるっていうか、狐につままれたみたいな。

からかってるんじゃないよね………?」



「からかってないよ」




トラが口許をおさえながら目を細めている。



その優しい表情、やっぱり、好きだ。




「でも、だって、トラ、そんな素振り、ちっとも………」



「そりゃ、必死で隠してたからな」



「えっ、なんで?」



「それは、うさのせいだよ」



「え? 私のせい?」



「お前、あのころ、彼氏がいたじゃないか」




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