おふたり日和 ―同期と秘密のルームシェア―
うさだけは、特別。


絶対、のがしたくなかった。




突然の甘い言葉に、顔が真っ赤に燃え上がるような気がした。


恥ずかしい。




「ああ、そういえば。

家賃が高くて困ってるっていうのも、もちろん出任せだよ。

うさからもらってた家賃も、お前がどうしても払わないと気が済まなそうだから、いちおうもらってたけど。

全部そのまま、手つかずでとってある。

今度、返すな」




「えっ、それはいいよ!

ルームシェアしてたのは本当なわけだし」




「いや、返す。もらってくれ。

俺からしたら、好きな女の子と一緒に住めたわけだから、嬉しいことばっかりだったんだし。

むしろこっちがお金払いたいくらいだよ」




甘い。


トラって、こんなに甘いキャラだったの?


そんなに私のことを、好きでいてくれたの?




―――でも、だからこそ、納得できないことがある。


ちゃんと聞いておかないといけないことが。




「………じゃあ、どうして?

どうして、いきなり、ルームシェア解消なんて言ったの?


それに―――五十鈴さんのことは?」




忘れてはいけない事実。



トラには、婚約者がいる。




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