おふたり日和 ―同期と秘密のルームシェア―
五十鈴さん、と私が言ったとたん、トラの顔が困ったように色を変えた。



それを見て、どきっとする。


やっぱりトラは五十鈴さんと結婚する、もしくは、もう結婚してしまったんじゃないか。


そんな不安がこみあげてきた。




「………そうだな。

その話は、ちゃんとしないとな。


―――うさ、ほんと、ごめん」




突然、謝られて、私はざあっと血の気が引いたような気がした。



なんで謝るの?




「何も言わないまま、急に出ていって、ごめん。

あのときは、うさに、確証もない不確実なことは言えないと思ってたんだ。

だから、結局、なにも言えなかった。


でも、あとから後悔した。

あんなふうに一方的に同居を解消して、うさのこと混乱させたし、困らせただろうし、ほんと、ごめん」




「………なに? どういうこと?」




トラが眉をさげて小さく笑う。




「それを分かってもらうには、かなり前の話からちゃんとしないといけないな。

ちょっと長くなるけど、俺の話、聞いてくれるか?」




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