おふたり日和 ―同期と秘密のルームシェア―
「けっこう、苦しかったな」
トラがすこし眉根を寄せて、ふっと息を吐きながら言った。
「苦しかった。
どんどん、うさのこと本気で好きになっちゃうし。
でも、どんなに好きなっても、婚約者がいると思うと、踏み出せないし。
しかも、うさは俺のこと、ぜんぜん好みじゃないなんて、豪語するし」
最後の一言は、トラは私を見つめながらにやりと笑って言った。
顔が熱くなって、思わずうつむいてしまう。
たしかにそんなこと言ってたな、私。
でも、いま思えば、そう自分に言い聞かせていたんだと思う。
トラのことを異性として意識してしまわないように。
好きになったりしてしまわないように。
だって、そうじゃないと、同居なんてできない。
「だから………親父が体調をくずしたって聞いたとき、最初は、これが潮時だなって覚悟したんだ。
もう、うさとの夢みたいなふたり暮らしは、終わりにすべきなんだって。
俺は俺の世界に戻らないといけないし、うさのことを束縛するのもやめようって」
「え? 束縛?」
「うん。うさは気づいてなかっただろうけど、俺はお前のこと、束縛してたんだよ。
うさが他の男のところに行かないように、なるべく居心地よくして、うさがうちから出たくなんかならないようにしようって」
トラはいたずらっぽく笑った。
トラがすこし眉根を寄せて、ふっと息を吐きながら言った。
「苦しかった。
どんどん、うさのこと本気で好きになっちゃうし。
でも、どんなに好きなっても、婚約者がいると思うと、踏み出せないし。
しかも、うさは俺のこと、ぜんぜん好みじゃないなんて、豪語するし」
最後の一言は、トラは私を見つめながらにやりと笑って言った。
顔が熱くなって、思わずうつむいてしまう。
たしかにそんなこと言ってたな、私。
でも、いま思えば、そう自分に言い聞かせていたんだと思う。
トラのことを異性として意識してしまわないように。
好きになったりしてしまわないように。
だって、そうじゃないと、同居なんてできない。
「だから………親父が体調をくずしたって聞いたとき、最初は、これが潮時だなって覚悟したんだ。
もう、うさとの夢みたいなふたり暮らしは、終わりにすべきなんだって。
俺は俺の世界に戻らないといけないし、うさのことを束縛するのもやめようって」
「え? 束縛?」
「うん。うさは気づいてなかっただろうけど、俺はお前のこと、束縛してたんだよ。
うさが他の男のところに行かないように、なるべく居心地よくして、うさがうちから出たくなんかならないようにしようって」
トラはいたずらっぽく笑った。