クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
ひよこが慌ててる姿を見ていると、もっと彼女をからかいたくなる。

俺って……結構意地悪な性格してるな。

「ねえ、悠人、明日は土曜日だし、今日はここに泊まっていかない?空港の近くのホテル予約してあるの」

五十嵐が俺の腕に手を触れると、俺はその手にチラリと目をやる。

綺麗な淡いブラウンのマニキュアが塗られた長い指。決して派手ではない。

だが、いつも何も塗ってないひよこの手と比べると、けばけばしく感じてしまう。

ホテル……か。

昔の俺なら五十嵐の誘いに乗っただろうか?

乗ったかもしれないし、断ったかもしれない。

だが、今は……五十嵐を見てもそんな気にはなれない。

ひよこに感じるように、守ってやりたいとか、気持ちが安らぐとか……そういうものが五十嵐にはない。

「今日はこのまま十九時のフライトで東京に帰る。悪いな」
< 208 / 297 >

この作品をシェア

pagetop