クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
それからお互い無言のまま二十分くらい冷やしていただろうか。

痛みがちょっと和らいでくると、朝比奈先輩が沈黙を破った。

「池野陽世莉。ひよこみたいにオドオドし過ぎだ」

少し怒ったようなその口調に、私はしゅんとなる。

「……すみません」

「挙動不審になるのは俺の前だけのようだけど、そんなに俺が怖いか?」

……うわっ、いきなり核心をついてきた。やっぱり……私の態度がおかしいのバレてた?

朝比奈先輩が背後にいて表情を見られないのがせめてもの救いだ。

「高校の後輩らしいけど、俺と過去に何かあった?お前のその声、聞き覚えある」

朝比奈先輩のその言葉にドキッとした。

……一度しか話した事ないのに何で覚えてるの?『圏外』ってあんなにはっきり言ったのに……。

「……な、な、何もないです」
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