クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
真田さんは私の言葉に絶句した。

あ……あたし……何言ってんの、バカ!

私は慌てて口を押さえる。

今さら口を押さえても、言った言葉は取り消せないのに……。

絶対に呆れたよね?

真田さんに目を向けると、彼はハハッと肩を震わせて笑い出した。

「もう!私は本気です。笑わないで下さい」

こっちは真剣なのに笑うなんて酷い。

プウッと剥れて怒ると、私の顔を見た真田さんが涙目で「ごめん、ごめん」と私の頭を撫でて謝った。

「取りあえず、中に入って」

真田さんがいつもの紳士的な笑みを浮かべる。

これは……どう解釈していいのだろう?

自分の想いが通じた……という感じではない。でも、拒絶もされてない。

この展開に少し戸惑っていると、彼は優しい声で言った。

「大丈夫。他の女性なんていないよ」

真田さんが私の手からスーツケースを奪って部屋の中に運ぶと、私も部屋の中に入り小さくガッツポーズ。
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