クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
よし!まずは第一関門突破。

でも、大事なのはこれからだ。

「何か飲む?」

真田さんが急に振り返ったので、私は拳を後ろに隠した。

「真田さんは何を?」

ニコッと咄嗟に作り笑いをして、飲み物のチョイスを真田さんに委ねる。

自分が飲みたい物を選ぶ余裕なんてなかった。

「プレスデーが無事に終わった事だし、シャンパンでも飲み直す?」

「いいですね」

コクリと頷いて真田さんに同意すると、彼はルームサービスのメニューを手に取った。

「頼んでおくから、お風呂かシャワー入って来たら?」

このスマートな流れ。こういう状況、慣れてるんだろうな。

さすがモテる男は違う。

こっちは心臓が口から飛び出しそうなほど緊張してるのに……。

それに、胸がズキンと痛む。
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