クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
心臓がトクンと跳ねる。

「夜景が綺麗だったから照明を暗くしてみたんだ」

ずっと窓の外を眺めていた真田さんが私に気づいて振り返る。

「東京の夜景とはやっぱり違いますよね。静かな感じで……私はパリの夜景の方が好きかな」

「俺も」

真田さんが私の目を見て微笑する。

今……『俺』って言った。

私がその言葉に驚いている間に真田さんはシャンパンを開け、グラスに注ぐと、私に手渡した。

「はい、どうぞ」

「あ、ありがとう」

私がグラスを受け取ると、真田さんは自分のグラスを手に持つ。

「絢香ちゃんの突然の訪問に乾杯」

悪戯っぽく笑って真田さんがグラスを掲げウィンクした。

……この人、私の事面白がってる。
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