クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
え?

温かくて柔らかいものが唇に触れたかと思うと、今度は下唇をゆっくりと甘噛みされた。

うそ‼キスされた‼

私が驚愕に震えていると、朝比奈先輩は顔を上げ私の目を見て妖艶に微笑む。

「な……何するんですか?」

あまりのショックで口をパクパクさせながらくずおれそうになると、朝比奈先輩に抱き抱えられた。

「悪戯かな?そうやって小動物みたくビクビクされると苛めたくなる」

朝比奈先輩の瞳は私を見て面白そうに笑う。

「朝比奈?何やってんの?」

真田さんが救急箱を持って戻って来ると、朝比奈先輩は澄まし顔で私から手を離して立ち上がった。

「ひよこは熱もあるみたいだ。俺はこれから打合せがあるから、後頼む」

「……ああ」

真田さんが怪訝な顔で頷く。

「ひよこ、真田に手当てしてもらったら、今日はもう帰っていい。また、明日」
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